冷凍みかん


今から半世紀前、鉄道の駅で売られたのが冷凍みかん。アイスなんてない時代、旅のお供といえば冷凍みかんでした。時代は変わって今では学校給食で親しまれています。子供たちが大人になったとき、楽しかった学校給食を思い出せるその思いが私たちの原動力です。

小田原発のヒット作

1946年夏、作曲家の海沼實さんは列車の窓から外を眺めていると、ふと頭にメロディーが浮かんだそうです。そのまま車中で生まれたのが童謡「みかんの花咲く丘」。東海道線の車窓から見えていたのは小田原のみかん山でした。

それからおよそ10年、ふたたび小田原から鉄道史に残るヒット作が誕生します。それが冷凍みかんです。

冬場の季節商品だったみかんを、夏にもお届けできないかと、当時の社長がみかんを冷凍したのがきっかけで初めて開発されました。

1955年に売り出された冷凍みかんは、アイスクリームはもちろん自動販売機すらなかったため大ヒット。ピーク時は当社だけでも年間3,000トン(約3,000万粒)の冷凍みかんを生産していました。

現在では駅のホームで見かけることは少なくなりましたが、代わりに学校給食のデザートとして提供させていただいています。皆さんも子供の頃に食べた思い出がありますでしょうか?

 



美味しさの秘密は氷の膜

冷凍みかんは皆さんのご家庭で作ることもできますが、美味しく作るためには少しの工夫が必要です。家庭用の冷凍庫にただ入れただけでは、どうしても皮がぼろぼろと剥きにくく、中身の果肉もパサパサになってしまいます。

当社の冷凍みかんの製造工程では、収穫したばかりの完熟みかんを外気にさらし、皮から水分を抜きます。獲れたてのみかんでは水分が残っているため、急速凍結の時に皮が割れてしまうのです。

皮から水分を抜いたら、みかんを零下25度の冷凍庫に入れて急速凍結します。家庭用の冷凍庫ではなく、一軒家がまるまる入るような大きな冷凍庫にみかんは保管されます。

そして最大のポイントは夏の出荷前のひと工夫です。当社ではご注文を頂いてから、出荷前に冷凍みかんを零度前後の冷水にくぐらせます。そうするとみかんの表面に厚さ1㎜の氷の膜が張られます。この氷の膜がとても重要で、出荷後の乾燥を防ぎ、みずみずしい食感の美味しい冷凍みかんが出来上がるのです。



名産地の食べ比べはいかが?

当社はみかんを冷凍して60余年。あらゆる種類のみかんを冷凍みかんにしてきました。それらの中で特にオススメしたい3つのみかんをこれからご紹介します。

まずは神奈川県と静岡県の中生みかん。

どの産地のどの品種にも言えることですが、大切なのは収穫時期です。時期が早すぎると酸味の強いみかんになってしまい、冷凍みかんにして食べたときに酸味が甘みの邪魔をしてしまいます。逆に時期が遅すぎると皮が厚くなってしまい、食べたときに薄皮が口に残ってしまいます。当社はこの絶妙なタイミングを見極め、厳しい選果選別を乗り越えたみかんを冷凍みかんにして販売しています。

静岡県には浜松や清水など、有名な産地が数多くあります。三ヶ日みかんの産地である浜松市は日本でもトップレベルの日照量を誇ります。太陽の日差しの量こそ、みかんの甘さの量。そんな産地のみかんを厳選して冷凍しているからこそ、甘くて美味しい冷凍みかんになるのです。ぜひ皆さんにオススメしたいひと品です。

 



あの有田みかんを冷凍!

次にオススメするのが長崎県のマルチみかん。

皆さんはマルチみかんをご存知でしょうか?果物や野菜は水分をあまり与えずに栽培すると甘くなることが分かっています。マルチみかんを栽培する農家さんの畑では、みかんの樹の根元が真っ白なマルチシートで一面に覆われています。地面を覆い、雨水が根元に入らないようにすることで、とても甘いみかんを栽培することができるのです。マルチみかんで作る冷凍みかんは、コクがあってとても甘いです。長崎県にはそんなマルチみかんだけを箱に詰めてくれる選果場があります。困ったときは長崎県産の冷凍みかんを選んでいただければ間違いありません。

さて冷凍みかんのオススメ、最後を飾るのは和歌山県の有田みかんです。和歌山県は日本で一番みかんが生産されている県として有名です。その中でも有田みかんは知名度も美味しさもトップレベル。なんといっても有田みかんを名乗れるのは、和歌山県のJAありだの選果場で、糖度選別する光センサーを通過したものだけなのです。だから美味しさに間違いがありません。有田みかんの旬も、冷凍みかんの製造に適した時期とぴったりのため、当社も特にオススメするみかんです。ぜひ一度、冷凍有田みかんをご賞味ください。



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